投球障害肩
投球障害肩とは?|成長期の「投げすぎ」が肩を壊す
野球やハンドボールなど投げるスポーツをしていて、肩に違和感や痛みを感じたことはありませんか?
特に成長期の選手は、骨や筋肉がまだ発達段階にあり、過度な投球は「投球障害肩」を引き起こします。
放っておくと肩の変形や運動制限が残ることもあるため、早めの対応が重要です。
原因
- 投げすぎ(オーバーユース)による肩関節や成長軟骨への負荷
- フォーム不良や筋力不足・柔軟性低下も一因
- 投球数・連投・ポジションの偏りなどの環境要因も関与
主な症状
- 投球時や投球後の肩の痛み・だるさ
- 肩の可動域制限(挙がらない・開きにくい)
- スピードやコントロールの低下
- 投げると痛み、休むと軽快を繰り返す
リトルリーガーズショルダーとは?
- 成長期(小・中学生)に多く見られる上腕骨近位骨端線離開
- 投球動作により骨端線がズレることで痛みや運動障害を引き起こす
- 進行すると成長障害や変形を残すことも
診断
- 問診と整形外科的徒手検査(インピンジメント徴候・挙上痛など)
- X線検査:骨端線の開きや成長軟骨の異常を評価
- エコー検査:骨や筋の動きをリアルタイムに確認
- 必要に応じてMRIで腱板損傷や関節唇損傷の有無を精査
治療法
- 運動制限・投球中止が最も重要(最低2〜6週間程度)
- アイシング・消炎鎮痛薬で炎症を抑える
- フォームの見直し・身体の使い方の改善を並行して行う
リハビリテーション
- 肩関節の可動域回復(後方滑り・外旋の改善)
- 肩甲骨・体幹・股関節の連動性トレーニング
- インナーマッスル(回旋筋腱板)の安定化訓練
- 正しいフォーム習得と再発予防
- 投球復帰プログラム(キャッチボール→ピッチング)を段階的に実施
当院での対応
- スポーツ整形専門医が診察・画像診断を実施
- 超音波やX線を用いた即日評価が可能
- 理学療法士と連携した段階的なリハビリ
- 投球フォームの指導・動画分析・家庭でできる運動指導も実施
- 部活動・クラブ活動との連携も柔軟に対応
受診の目安
- 投球時に肩の痛みや違和感がある
- 投げるたびに痛みが強くなる
- スピード・コントロールが落ちたと感じる
- フォームが崩れた・投げるのを怖がるようになった
- リトルリーグ肩を指摘されたことがある
