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腰痛(筋・筋膜性腰痛症・ぎっくり腰)

腰痛とは?

腰痛は、日本人の約8割が一生に一度は経験すると言われる非常に一般的な症状です。中でも筋・筋膜性腰痛症ぎっくり腰(急性腰痛症)は、明確な骨の異常がなく、筋肉や筋膜といった軟部組織が原因で生じる腰痛です。

種類と特徴

種類 特徴
筋・筋膜性腰痛症 長時間の同じ姿勢、無理な動作、運動不足などによって起こる慢性の腰痛。
ぎっくり腰 急な動作(重い物を持ち上げる、ひねるなど)で突然起こる激しい痛み。一般に数日~1週間程度で回復。

治療法

1. 保存療法(基本的な治療)

  • 安静:ぎっくり腰の場合、初期の1〜2日は安静が有効。ただし、長期の安静は逆効果となるため注意が必要。
  • 痛み止め(内服・外用):NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)など。貼付薬や塗り薬も有効。
  • 筋弛緩薬:筋肉の緊張を和らげる薬剤で、急性期に処方されることがある。
  • 注射療法:トリガーポイント注射や神経ブロック注射が有効なこともある。

2. 物理療法

  • 電気治療:干渉波、低周波などで筋肉の緊張を和らげる。
  • 温熱療法:温めることで血流を促進し、筋肉の緊張を緩和。
  • 超音波療法:深部に働きかけて痛みの緩和と回復促進。

リハビリテーション(運動療法)

リハビリの目的

  • 筋肉の緊張を緩める
  • 関節可動域を正常に保つ
  • 体幹(インナーマッスル)を鍛えて再発を防ぐ

リハビリの進め方

時期 内容
急性期(痛みが強い時期) 無理に動かさず、可能な範囲で体を動かす。アイシングや軽いストレッチを行うことも。
回復期(痛みが軽減) 腰部を支える筋肉(腹横筋・多裂筋など)を鍛えるトレーニングを開始。
再発予防期 体幹トレーニング・ストレッチ・正しい姿勢の習慣化などを行い、慢性化・再発を防ぐ。

よく行われるリハビリ運動

  • ドローイン(腹横筋活性化)
  • ブリッジ運動
  • 猫のポーズ・子犬のポーズ(ヨガ)

固定?運動?どちらが正解?

重症度 固定の必要性 運動の開始目安
軽度(違和感レベル) 基本的に不要 日常生活レベルの活動は可
中等度(動くと痛む) 短期間(1~2日)の安静は有効 痛みが和らいできたら徐々に
重度(歩行困難など) コルセットなどの固定が推奨 専門家の指導の下、段階的に

ポイント:症状の程度に応じて適切な時期に運動を取り入れることが、早期回復と再発予防の鍵です。

当院での対応

当院では、腰痛の専門医による診察のもと、一人ひとりの症状に応じたリハビリプログラムを作成しています。必要に応じて、電気治療や体外衝撃波療法、筋膜リリース、パーソナルトレーニングまで、幅広い選択肢をご提案可能です。

まとめ

  • 筋・筋膜性腰痛やぎっくり腰は、早めの対応とリハビリが回復の鍵です
  • 安静にしすぎず、適切なタイミングで運動を再開しましょう
  • 専門的なリハビリ指導を受けることで、再発リスクを大きく減らすことができます

リハビリについて

筋・筋膜性腰痛症のリハビリテーションは、痛みの軽減と筋肉の柔軟性・筋力の向上を目的とし、再発防止にも大きな役割を果たします。筋肉や筋膜の過緊張や炎症によって生じるこの症状は、リハビリを通じて適切に管理することで改善が期待でき、長期的な腰痛の予防にも繋がります。

筋・筋膜性腰痛症のリハビリの目的

リハビリの主な目的は以下の通りです

  1. 痛みと炎症の軽減:筋肉や筋膜の緊張を緩和し、血行を促進することで炎症を減少させる。
  2. 筋力と柔軟性の回復:弱くなった筋肉や硬くなった筋膜を強化・柔軟にし、腰部への負担を軽減する。
  3. 正しい姿勢と体の使い方の習得:不良姿勢や誤った動作を改善し、再発予防を図る。
リハビリの種類と方法

筋・筋膜性腰痛症のリハビリには、以下のような方法があります。それぞれの方法は、症状の段階や個々の状態に応じて組み合わせて行われます。

  1. ストレッチング

    • 腰部の筋肉(腰方形筋、脊柱起立筋、腸腰筋など)や下肢の筋肉(ハムストリング、大腿四頭筋など)を伸ばし、筋肉の柔軟性を向上させます。
    • 例:ハムストリングストレッチ(仰向けに寝て、片足をまっすぐ上げて手で支える)、腰回りのストレッチ(仰向けで膝を曲げたまま左右に倒す)など。これにより、腰部の血流が促進され、緊張が緩和されます。
  2. 体幹強化エクササイズ

    • 腹筋、背筋、骨盤周りの筋肉を強化することで、腰椎を安定させる筋力を高めます。強い体幹は腰への負担を減らし、正しい姿勢の維持を助けます。
    • 例:プランク(両肘をついて体をまっすぐに保持するエクササイズ)、ブリッジ(仰向けで膝を立てた状態から腰を持ち上げる)など。
  3. 神経モビライゼーション

    • 痛みの原因となっている神経の動きを改善するための運動療法です。神経の滑走性を高め、筋膜の緊張を軽減します。
    • 例:スライディングエクササイズ(下肢の神経を伸ばしながら軽い動きを繰り返す)など。
  4. 低負荷の有酸素運動

    • ウォーキングや水中ウォーキング、エアロバイクなどの低負荷の有酸素運動は、全身の血流を改善し、筋肉の回復を促進します。水中運動は特に、浮力により関節や筋肉への負担が少ないため、有効です。
  5. 物理療法(温熱療法・冷却療法)

    • 温熱療法(ホットパック、温浴など)は筋肉の緊張をほぐし、血流を改善して痛みを和らげます。冷却療法(アイスパックなど)は急性期の炎症を抑えるために用いられます。
  6. 姿勢矯正と日常動作指導

    • リハビリの一環として、正しい姿勢や動作を学ぶことが重要です。例えば、腰に負担をかけない座り方や、立ち上がりの仕方、重いものを持ち上げる際の正しい方法などを習得します。
リハビリを行う際の注意点
  • 無理をしない:リハビリ中に痛みが増す場合は無理をせず、すぐに中止して休むことが大切です。痛みが続く場合は、医師や理学療法士に相談してください。
  • 段階的な負荷の調整:リハビリは段階的に進める必要があります。急に強度を上げると症状が悪化する可能性があるため、少しずつ運動量を増やすことが重要です。
  • 専門家の指導を受ける:自己流でリハビリを行うと、かえって悪化させることもあります。医師や理学療法士の指導を受けて、安全かつ効果的にリハビリを進めるようにしましょう。
まとめ

筋・筋膜性腰痛症のリハビリは、痛みの軽減と機能の回復、そして再発予防に非常に重要です。個々の症状や状態に応じて適切なリハビリプログラムを組み立て、無理なく継続することが効果的です。医療専門家の指導のもとで、自分に合ったリハビリを続け、健康な腰を保ちましょう。

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