疲労骨折
疲労骨折とは?|見逃しやすい“使いすぎの骨折”
スポーツや日常動作の繰り返しによって徐々に骨にひびが入る「疲労骨折」。
急な外傷がなくても運動中の痛みや腫れがある場合は注意が必要です。
初期に正しく対応することで、競技復帰もスムーズになります。
原因
- 同じ部位に繰り返し負荷がかかる(ジャンプ・走行など)
- 急激な運動量の増加(合宿・新学期・大会前など)
- 柔軟性の低下や筋力不足、栄養バランスの乱れも関与
好発部位
- 脛骨(すねの骨)
- 中足骨(足の甲の骨)
- 腓骨、肋骨、骨盤、腰椎、上腕骨なども
症状
- 運動時に徐々に強くなる痛み
- 押すとピンポイントで痛い(圧痛)
- 軽度の腫れ、発赤、熱感を伴うことも
- 放置すると完全な骨折につながることがあります
診断
- 初期はレントゲンで写らないこともあり注意
- MRIや骨シンチグラフィーで早期診断可能
- エコー(超音波)でも炎症や腫脹の評価ができます
治療法
- 基本は保存療法(安静・負荷軽減)
- 局所のアイシング・痛み止めで炎症を抑える
- 体重負荷の制限(松葉杖・装具)が必要なことも
リハビリテーション
- 患部の安静期間中
- 体幹・上肢・対側の筋力維持トレーニング
- 有酸素運動(バイク・プールなど)で全身持久力の維持
- 荷重開始〜運動復帰期
- 可動域訓練(ROM)と柔軟性改善
- 患部を支える周囲筋の強化
- フォーム・動作分析による再発予防(着地動作・ラン動作など)
- 段階的ジャンプ・ステップ訓練(荷重→低衝撃→高衝撃へ)
- 復帰前評価
- 左右バランス、筋力・柔軟性の左右差評価
- 競技別復帰テスト(アジリティ・反復ジャンプなど)
競技復帰の目安
- 痛みが完全に消失+画像上で骨癒合が確認された段階
- 部位によるが4〜12週を要することが多い
- リハビリスタッフと連携し段階的な運動復帰を行います
当院での対応
- スポーツ整形専門医による正確な診断
- MRI・エコーを活用した早期発見
- リハビリ専任スタッフによる競技別メニュー提供
- 再発予防の動作評価と生活指導まで一貫対応
- クラブ活動・大会スケジュールに配慮した復帰計画も提案
受診の目安
- 運動時に同じ場所が繰り返し痛む
- 安静にしても痛みが引かない・悪化する
- 早期の受診で復帰期間を短縮できます