頚椎捻挫（むち打ち）とは？｜事故・転倒後の「なんとなく変」を見逃さない

「交通事故のあと、首や肩が重だるい」「頭痛や吐き気がする」
それは頚椎捻挫（むち打ち症）かもしれません。
初期症状が軽くても、放置すると慢性化しやすい疾患です。
違和感の段階での受診と、適切なリハビリが大切です。

原因

• 交通事故（追突事故）がもっとも多い原因
• 転倒・急停止・スポーツでの衝撃による首の過屈曲・過伸展
• 「むち」のように首が振られることで筋肉や靭帯が損傷

主な症状

• 首や肩の痛み・こり・動かしづらさ
• 頭痛・めまい・吐き気
• 腕のしびれ・手の違和感が出ることも
• 時間差で症状が出現・悪化することが多い

分類（むち打ちのタイプ）

• 頚椎捻挫型：筋肉や靭帯の損傷による痛み（最も多い）
• 神経根型：神経圧迫による腕のしびれや脱力
• バレ・リュー型：自律神経症状（頭痛・めまい・倦怠感など）
• 脊髄型・脳脊髄液減少型：稀に重症のケースもあり、精密検査が必要

診断

• 問診・身体所見に加え、交通事故の場合は事故状況も確認
• X線検査：骨折・脱臼などの有無を確認
• MRI検査：神経・靭帯・椎間板などの状態を評価
• 超音波検査：筋肉・軟部組織の炎症・滑走異常をチェック

治療法

• 初期は安静＋痛みの緩和（内服・湿布・電気治療など）
• 頚椎カラー（軟性装具）で安静を保つことも
• 症状が落ち着いたらリハビリへ移行

リハビリテーション

• 頚部・肩甲帯・背部のストレッチと可動域改善
• 深部筋（頚部インナーマッスル）の安定化トレーニング
• 神経の滑走を改善するモビライゼーション
• 姿勢・動作の見直し指導（スマホ首、猫背）
• 慢性痛の予防・再発防止のためのセルフケアも指導

当院での対応

• 交通事故・労災対応可（保険会社との連携も可）
• エコー・MRIで損傷部位の客観的評価
• 理学療法士がマンツーマンでリハビリ
• 自律神経症状や不安感にも配慮した対応
• 「後遺症を残さない」ことを目標としたサポート体制

受診の目安

• 事故・転倒・打撲のあとで首が痛む・重い
• 腕のしびれや吐き気がある
• 「ただの打ち身」と思っていたが数日後に症状が悪化した
• 他院で「異常なし」と言われたが症状が続く