LCL(外側側副靱帯)損傷
外側側副靱帯損傷(LCL損傷)とは?
膝の外側が痛い・不安定を感じたら
「膝の外側に痛みがある」「踏ん張るとぐらつく」
それは外側側副靱帯(LCL)損傷の可能性があります。
LCLは膝の外側を支える重要な靱帯で、捻挫や衝突などの外傷で損傷することが多く、放置すると不安定感が残ることがあります。
原因
- 膝の内側からの衝撃によって膝が外に開き、LCLが伸ばされ損傷
- ラグビー・サッカー・柔道・スキーなどコンタクトスポーツに多発
- 転倒時の膝のねじれや、不自然な荷重でも起こります
主な症状
- 膝の外側の痛み・圧痛・腫れ
- 膝が不安定な感じ・力が入らない
- 歩行や方向転換時のぐらつき
- ジャンプや踏ん張りができない
損傷の分類(グレード)
- Grade 1(軽度):軽い靱帯伸張、痛みはあるが不安定性は少ない
- Grade 2(中等度):部分断裂、不安定感や腫れがあり
- Grade 3(重度):完全断裂、明らかな関節の不安定性
診断
- 外反ストレステスト(膝屈曲位):靱帯の緩みを確認
- エコー検査:靱帯の状態をリアルタイムに観察
- X線検査:骨折や骨のずれの有無を確認
- MRI検査:LCLや周囲組織の損傷範囲、合併損傷(後外側支持機構)を確認
治療法
- 保存療法が基本(軽〜中等度損傷)
- 膝装具による外側支持と可動域制限
- アイシング・安静・消炎鎮痛薬で炎症軽減
- Grade 3の完全断裂や合併損傷がある場合は手術を検討
リハビリテーション
- 初期(固定中)
- 大腿四頭筋の収縮訓練・荷重制限
- 股関節や体幹のトレーニングで膝への負荷を軽減
- 中期
- 膝の可動域回復
- 膝外側の筋群強化(腓骨筋群・外側ハムストリング)
- 後期
- ジャンプ・方向転換・カット動作のトレーニング
- スポーツ復帰テストを実施し、段階的に復帰へ
当院での対応
- 整形外科専門医による靱帯の損傷評価
- エコー+X線+MRIによる多角的診断
- LCLブレース処方・装着指導
- スポーツ経験のある理学療法士による実践的なリハビリ
- 競技復帰支援・学校提出用診断書なども対応
受診の目安
- 膝の外側にぶつけた・ひねった後、痛みが続く
- 踏ん張る・方向転換で不安定感がある
- スポーツ中の再発を防ぎたい
- 他院で「様子を見て」と言われたが不安が残る